テーパリング開始決定
米国のFRBは、11月からテーパリングを開始るすると決定しました。
そしてそのペースは国債100億ドル、MBS50億ドルです。
現在は、国債800億ドル、MBS400億ドルづつ購入していますから、今月開始であれば来年6月にもテーパリングが終了することとなります。
しかし、これはあくまで新規の緩和を縮小するのみであり、900兆円にも上るFRBの資産残高を縮小するものではありません。
ここままでは市場は事前に完全に織り込んでおり、株価はむしろ3指数とも最高値を更新しました。

焦点は来年の利上げに
市場の関心は既に来年の利上げに移っています。
今のところ、来年1回の利上げは完全に織り込んでおり、さらに2022年6月での利上げ開始かつ2022年に2回の利上げも50%程度の確率で織り込んでいる様です。(CMEのFEDウォッチ)
パウエル議長は記者会見で、「インフレは一時的」との見方を維持しました。
しかし、その一方で、インフレの範囲が広範に渡っていることも認めています。また、これまではインフレは一時的なものと「断定」していましたが、今回は「想定される」に後退させています。
よって早ければ2022年6月での利上げ開始もあり得ることになります。
その場合には株価にはネガティブになり得ますが、市場はその利上げもかなり織り込んでいる様です。
(2022年6月利上げ確率は50%超、CME FED WATCHより)

株価はどうなる
むしろ企業業績が今後も伸びるかが焦点です。今期予想は切り上げっていますが、逆に来期予想が切り下がっており、この点インフレによる企業業績への悪影響も気がかりです。
現在のS&P500のPERは22倍ですから、益回り4.5%であり、10年国債金利とのイールドギャップは2.9%程度です。よって企業業績が伸びずに、これ以上の株価上昇があれば、警戒感を抱かなければなりませんね。
一方で、市場には緩和によるマネーが溢れていることも事実であり、この事との綱引きとなるでしょう。
まとめ
FRBは11月からのテーパリング開始を決定し、来年6月までに完了させることを発表しました。
またインフレ懸念が高まっており、来年6月には利上げが実行される可能性もあります。
株価にはネガティブとなり得ますが、企業業績やPER、溢れたマネーの動向を見ながら判断していくことになりそうです。
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