帝国的生活主義がもたらす地球破壊
我々先進国に住む人間は、ファストファッションに身を包み、肉を食べ、車に乗り、大量消費生活を送っています。
筆者はこれを「帝国的生活主義」と呼んでいます。
そしてこれは、途上国の環境破壊、将来の環境破壊、先進国と途上国の格差をもたらすこととなります。
例えば、ファストファッションは東南アジアで製造を行っていますが、これは現地の労働力を安く使っているということであり、またインドの綿を安く購入していることによって成立しています。
インドの綿栽培でも、外国から種子を持ち込み、商業的農業を推し進めることで、現地の住民の食糧をつくるという本来の農業から乖離するばかりか、森林伐採や土壌汚染をもたらしています。
そして世界の富裕層上位10%(日本人はここに入る)が、世界の二酸化炭素排出の約50%を占めているのです。

SDGsは綺麗ごと?
現在に至っては、環境問題や異常気象は、既に途上国のみのものではなく、先進国にも被害をもたらすようになってきています。
そこで、先進国を中心にSDGsをうたい、クリーンエネルギーの利用等を促進するとしています。
しかし、これは二酸化炭素排出を先進国から途上国に押し付けるものであったり、またさらに二酸化炭素排出を促進することとなる面があるのです。
例えば、電気自動車ではリチウムが必要となります。これは地下から毎秒1700Lの水をくみ上げることで採掘されもので、その時に二酸化炭素が排出されます。またコバルト採掘では、アフリカにおける児童労働を伴っていると言われます。
太陽光発電等のクリーンエネルギーでも、その利用は補助的な電力として使用され、かえって電気利用料が増えることで、二酸化炭素排出が増えるという事実が指摘されています。
経済成長を止めるしか方法はない
筆者は解決策として、経済成長をやめるということを提唱しています。
「帝国的生活主義」を止め、経済的価値よりも使用価値に重点を置き、また土地や様々な生産手段を人類の共通資本として、共同体運営することを提唱します。これは、晩年のマルクスの主張をもとにしています。
ちなみに、旧ソ連で崩壊した社会主義は本当の社会主義ではなく、統括管理による資本主義だったと言います。
つまり、人々はブランド品を買ったり、大量消費をするのではなく、生活に必要なものを必要最小限で使用し、それに相応するものを共同体で生産するという考え方です。
感想
筆者の考え方は、ベーシックインカムの考え方にも通じるものがあると思います。
つまり、これまでの行き過ぎた資本主義を転換し、格差を是正すること、それは生産を削減することであり、結果的に二酸化炭素排出等の環境への負荷を削減することになるのではnないでしょうか?
環境負荷の面からも、ベーシックインカムは意義あると思います。
ご興味がある方は以下もどうぞ。

Where there is a will, there is a way!
コメント