成長していない日本
下図は、日本企業の売上高人件費率の推移です。
上が1960年~2014年まで、下が2018年~2021年の推移です。
これを見ると、一貫して売上高人件費率は上昇傾向にあることが分かります。1960年に全産業で9%だった売上高人件費率は、2014年に14%程度になり、2021年6月には17%にも達しています。
もっとも労働者の賃金は横ばいであり、増加はしていません。
つまり、企業の売上高が伸びていないというこです。さらに言えば、GDPが伸びていないということも関係がありますね。
つまり、日本は分配よりも、成長できていないことが問題なのです。


人件費を上げるための税制と言うが・・・
岸田総理は、企業の人件費を上げさせるため、人件費を上げた企業の法人税を優遇する制度を検討するとしています。
しかし、GDPが横ばいの中で、法人税を支払っているのは全体の約4割の企業に過ぎません。
しかもその4割には大手企業が多く、その大手企業に勤める人数は全体のうち限られた部分でしかないのです。
つまり、これまで同様の制度を設けても人件費が上がってこなかったのは、制度が複雑という面はあるかもしれませんが、何よりも法人税をそもそも支払っていない企業が大半だということにあるのではないでしょうか。
私も銀行員時代に、中小企業の決算を見ていましたが、ほとんどの企業は赤字か若干の赤字というレベルです。優遇税制が出来たからと言って、人件費を上げようなどどという経営者はほぼ皆無と言えると思います。
まとめ
岸田総理は分配を重視し、人件費を上げるための税制を導入するとしています。
しかし、問題は日本や日本企業が成長していないことが問題なのであり、先に解決すべきはどうやって成長するかということです。
18歳以下に10万円などという人気取りのバラマキをやる前に、根本的なことを考えて欲しいものです。
Where there is a will, there is a way!
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