退職金とは・・・
退職金とはそもそも戦後から高度経済成長期にかけ、会社が従業員を長期間にわたり安定的かつ安い給料で雇用するために考えられた制度です。
日本の伝統的な制度と考えている人もいますが、実際にはそうではありません。
当時何故会社は従業員を長期間雇用する必要があったかというと、主に以下の点が挙げられます。
【退職金制度の必要となった背景】
①膨大な需要とその増加・・・戦後から高度経済成長期にかけ、大幅な需要があり、さらに増加していた。
②限られた供給力・・・戦後は日本の生産能力は破壊されていたために、供給能力が低下しており、急速な能力向上が求められた。
③長期的な教育の必要性・・・特に製造業では高度な製造能力が求められ、これには長期間の教育が不可欠であった。
しかし、今高い給料を払うお金もない、そこで考えられたのが退職金制度です。退職金制度を導入する企業のメリットは以下の通りです。
【退職金制度導入の企業側のメリット】
①従業員の安定雇用・・・従業員が長く務めることで得をする制度により、従業員が長期間働いてくれるため、供給能力の安定と長期間にわたるスキル育成が可能となった。
②キャッシュフローの改善・・・人件費支払いを先送りすることで、現状では人件費を安く抑えることが可能。
現在の退職金の状況は・・・
現在の退職金は以下の通り、中小企業も含めた平均で1,788万円と何と15年間で711万円も減少しています。
率でいうと、15年間で28%も減少したことになります。

こうなった要因は、失われた30年での不景気等も考えられますが、そもそも上記の様な従業員を長く雇用する必要性が薄くなってきていることがあると思います。そこにはスキルがアップデートされていない、機械化やクラウド化が進んでいる等があると思われます。
今後についてはさらに、AI等技術発展により、さらにスキルがない中年社員を雇用する必要性はなくなり、退職金も減額傾向となる可能性が考えられます。
20年後の退職金は・・・
現時点での退職金が2千万円として、今後20年で過去と同様のペースで退職金が減少し、最終的に30%退職金が減額されたとすれば、
2,000万円×70%=1,400万円となります。
40~60歳のサラリーマンはいくらか・・・
前日の投稿で、40~60歳のサラリーマンの価値は、9,200万円と試算しました。
これにさらに退職金減少を加味すると、どうなるのでしょうか?
まず、20年後の退職金1,400万円を3%で現在価値に割り引くと、約850万円となります。
これに以前計算した給料分の、8,000万円をたすと、8,000万円+850千万=8,850万円となります。
先日では9,200万円と試算していたので、9,200万円ー8,850万=350万円の減少となりました。
サラリーマンの価値はさらに減少しましたね。
これをどう見るかは各人次第です。
どちらにしても、個人としては予測される未来に対して準備をするしかないですね、スキルアップするか資産形成する等ですね。
前向きに取り組んできたいですね。
There is a will, there is a way!
↓以前の関連投稿です。ご興味があればどうぞ。
コメント